司法書士法人ミライブログ

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続・相続放棄

2025年1月7日

こんにちは。司法書士法人ミライ・益留です。
今回も前回に引き続き、相続放棄について取り上げたいと思います。

相続放棄は、相続放棄申述書を管轄の家庭裁判所へ提出し行うものですが、代筆によっ
て行うことの可否について、皆様は違和感を覚えたことはないでしょうか?
当初、私はかなり抵抗感、違和感を感じておりました。自身の相続権を放棄するための
申述書への記載を他者が代筆できる? 印鑑も実印ではなく、認印で問題なし、、、
相続権を失う以上、もっと慎重に判断されるべきではないかと感じておりました。

しかし、自署することが困難な事情を抱えていらっしゃる方が居るのも事実。判例によ
れば「相続放棄の申述書には原則として本人の自署を要するが、特段の事情があるときは
本人又は代理人の記名押印のみでも受理される(最判昭29.12.1)」とあります。
特段の事情とは、本人が手続きを他の者へ一任し、その者へ印章を預ける場合などを指している様です。

つまり、本人が相続放棄の意思表示をし、他者への委任があれば問題なしとして取り扱われる。個人的には、やはり釈然としない感じは残りますが、手続きを過度に厳格にすることにより、申述期間内に手続きが間に合わないケースなども起こりえる以上、現在の運用は柔軟性がり、現実に即していると言えるのでしょうね。

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